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2つの発表会

ピアノ三重奏曲の練習にかなり打ち込んだ1ヶ月だった。それもそのはず、2つも発表会が続けてあったのだから。
一つ目は、2018年10月28日(日)、我々ピアノ三重奏楽団の二人のチェリストが習っている井崎先生の音楽教室のアルルの定期発表会に関係ないメンバーが3人も含まれるレオノーレが混ざって演奏する事になった。このレオノーレ・ピアノ三重奏楽団に、なんで5人も居るのかと言うと、バイオリンとチェロがそれぞれ2人づつ + ピアノ1人なので計5人のピアノ三重奏楽団となるのだ。これは山崎の発想なのだがとても成功していると言える。音程の不確かなパートが互いに補い合うので音程が安定して聞こえるのである。メンバーはバイオリンが前野と伊藤さん、チェロが山崎と太田さん、それにピアノが僕、といったメンバー。会場は日々谷高校に隣接する永田町星陵会館。会場のピアノはスタインウェイだった。指先が黒鍵に触れた瞬間、ああこの黒檀(こくたん)のテクスチャーが最高だな、と感じた。音も良かったし、とても軽くて弾き易かった。スタインウェイだから良いピアノだとは限らないがここのスタインウェイはとてもいい状態に維持監理されていたと言える。ピアノは文句なく良かったのだが、練習用のピアノがなかったので指馴らしが出来なかったのと、本番の出だしのテンポで僕が早く出過ぎてしまったせいで、途中ちょっと自滅した部分があるのが悔やまれる。レオノーレの出し物はベートーベン作曲ピアノソナタ第1番第2楽章だった。井崎先生が今までも何度か目白の山崎の家での練習時に来てくれてピアノも含めて的確なアドバイスを貰っていた。
他の井崎先生の生徒達は、レオノーレの二人も含み16人全員が一緒に2つの曲を演奏した。正直言っては悪いんだけど、去年はとても聴けたものではなかったが、一年で皆さん大分上手くなった様だ。中には4〜5人上手い人たちも居るのだが、「悪貨は良貨を駆逐する」の例えがここでも通用する様だ。上から目線で済みません。全く自分たちの事を棚に上げてものを言っているね。
発表会のあとは山王のアジアンテイストのバーでの打ち上げがあった。嵩張るチェロケースが16台も店内におけるという条件で探すのは大変だったと幹事さんが言ってたけど、ネパール人の店員達の愛想も良かったし、ネパールビールもなかなか旨かった。目先の変わった料理もおいしかったし、いろいろな人たちと話をする事が出来てとても有意義な場となった。特にそれまでも何度か目白の山崎の自宅での音楽パーティーで一緒になった杉田さんや二川さん夫婦などともさらに親しく話が出来てよかった。

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5人編成の新成レオノーレ 左の立ち姿は井崎先生

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チェロアンサンブルの面々

続けて2018年11月3日(土)、いろいろな音楽家集団が集まって、山崎が設計施工した箱根のコンサート会場での発表会があった。先の星陵会館の井崎先生のピックアップメンバーも集まった。我々ピアノ三重奏のレオノーレの5人、チェロのアンサンブル軍団はぐっと人数を絞って6人、前野がメンバーの一人でもあるカメレオンというピアノ6重奏楽団も来た。前野は本来の専門であるビオラをここでは弾いた。太田さんが引っ張って来た林さんという女性が一人混じった弦楽4重奏もこの日の為に新たに構成された。その他にプロの音楽家が3人。チェロの井崎先生とその妹さんの友里恵さんというピアニスト、もう一人チェロの竹花先生、この人はカメレオンのメンバーの一人、水谷さんのチェロの先生だ。こういった人たちとのプロ、アマ入り乱れてのコンサートだった。プロとアマとの力量の差は天と地ほどの開きがあり、プロは皆さん有無を言わさぬ素晴らしさだった。僕は特にピアノの井崎友里恵さんの曲作りとそのテクニックにとことん感心した。又、日頃その音量の豊かさ、音程の比類なき正確さを誇る井崎先生のチェロにも感服しまくりだった。ここでは、我々レオノーレは先日のベートーベンのピアノトリオ第1番第2楽章と、同じく第6番第3楽章の2曲を演奏した。1曲目は又しても僕のテンポが少し速かった上に休符を間に挟んだリフの部分では引き止めようもないほど待ちきれずに出てしまう弦を制御しきれずに益々テンポが上がってしまい重要なピアノの難しい聴かせどころでばたついてしまった。2曲目は去年やった曲だったお蔭で無難に弾き通すことが出来た。チェロの太田さんのご主人がフルートを吹きたいというのでバッハのシチリアーノを僕のピアノと合わせたが、優しいと思っていたら大間違い。ちょっとトチると永久に取り返しのつかないチョンボになってしまうという事に気がついたのが直前で、かなり焦ったが太田さんに「どうしても和田さんと合わせたい」と言い張られて自信のないままステージに上がってしまった。1箇所でもトチったら一巻の終わりと思うからそれこそ冷や汗1斗の思いで、弾いている間、血圧なんかきっと180以上に行ってしまったんではなかろうかというくらい緊張してやったところ、とんでもないミスに遭遇せず事なきを得たので心の底からほっとした。いや、太田さんの旦那のフルートは実にしっかりしており大分年季の入った人だということが分かった。次はしっかりと練習してもっとやりがいのある曲に挑戦する事にした。

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レオノーレの5人と会場の雰囲気 クリックすると拡大されます。ちょっとピンぼけ。

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太田さんとのデュオ クリックすると拡大されます。

最後に、弦だけで4重奏のユニットを組んで(これも6人編成だが)「見上げてごらん夜の星を」のバックも演奏した。その日のMCを担当した、まだ学生の女性(ゆみさん)が歌いたいという事で2曲歌ったのだが、1曲目に Misia の Everything を僕のピアノの伴奏で歌うという事になっていた。僕にとっては慣れないジャンルである上にとてつもない難しい伴奏を半音下げて楽譜を描き直し、かなりの時間をその練習に充てたにもかかわらず、本番直前でボーカリストはいまいちピアノを頼りないと感じたのか、カラオケで歌うと言い出し、僕は引っ込まざるを得なかった。確かにホールのPAは高級な設備が備わっていたしカラオケにはベースの音が響く素晴らしい効果があったとはいえ、なんでこの様なアコースティックなコンサートでカラオケで歌うのよと言いたい。多少難があってもこれだけ努力した僕に対するリスペクトがなさ過ぎだろう。まあ音合わせまでに完璧に仕上げなかった僕が悪いには違いないんだが、それでも、「それはねえぜ」と言いたい。自分的にはほとんど問題なくバックを付けるというレベルまでには達したと思っており、ボーカルの脚を引っ張るというほどではないと自負していただけに残念だった。リハ中、一回、半音上に転調するところでミスっただけで、それまで何十回も練習したかぎり後にも先にもそのとき1回だけだったんだからね。僕もあっさり引っこまなければ良かったと思っている。余程シチリアーのの伴奏の方が冷や汗モンだったのに。・・・大分根に持っているね、これだけしつこく書くとは・・・。

アフターアワーでの歓談では気を取り直し、またまたいろいろな人たちと話をして楽しかった。その日は山崎の提案でクラシックが主なコンサートだったが、クラシック版のジャムセッションの場にしたいという事でつまみや飲み物もふんだんに用意されており、みんな気軽に飲み食いしながらの音楽会を満喫したようだった。これらの費用は全て山崎が負担したので全員1銭も懐から出さないで終わった事には頭が下がる。最後の方で、井崎先生といろいろ話す事が出来た。僕が「チェロを弾いてみたい」としきりに言うので、太田さんが「丁度チェロが1台余っているから貸しましょうか」と言ってくれたのを聞いて、井崎先生が僕の自宅に教えに来てくれる事も可能だと言っていた。彼女は成城に住んでいるし、同じ経堂の南側で自宅に教えに行ってる生徒が居るのでついでに和田さんちに寄るのは雑作ない事だと言っていた。俄然チェロをやってみたくなった。それに彼女は自転車もロードバイクをもっていて、よく乗るというので今度 Bex Isoya のポタリングに誘ってみようと思っている。
なお、この日は、初めてレオノーレのコンサートにカミさんを連れて行ったのだが彼女は彼女で大変楽しんだ様だ。なんせ社交的な女だからね、ほっとけば誰かとしゃべっているのだ。このあと暗くなり始めた頃にはバーベキュー大会が既に始まっていたが、僕は翌日早くから自転車での三浦半島一周ツーリングがあるので5時頃箱根を後にした。途中しっかり渋滞にハマったけど、家に戻って風呂に入り10時前にはベッドに入った。


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